ここがポイント! 飲食店の換気扇選びを基本から解説します!

2023年06月15日(木)

飲食店を経営するには厨房機器や調理器具、什器など、用意するべきものがさまざまあります。換気扇もそのうちの一つなのですが、意外と軽視されがちです。換気扇を設置しなかったり選び方を間違えたりすると、思いがけないトラブルが発生するリスクもあります

今回は飲食店の開業を考えられている方向けに、換気扇の必要性や選び方についてご説明しますので、ぜひ参考にしてください。

飲食店の換気扇にはこんな役割がある

「換気は窓を開ければいい」「換気扇はどれでもいい」と思われている方もいらっしゃるかと思います。しかし、それは大きな間違いです。

今の時代、飲食店には換気扇が必須です。それも、ただ設置するだけではなく、空間に合わせて選ばなければ意味がありません。まずは換気の基本について見ていきましょう。

 

換気の基本

自然換気方式

自然換気とは窓や扉を開けて行う換気で、その名のとおり風や室内外の温度差による自然の力で室内の空気を入れ替える方法です。空間の対角線上に窓や扉を設けることで気流が発生し、きれいな空気を取り込み、汚れた空気を排出することができます。

電気代がかからない、すぐに空気が入れ替えられるといったメリットがあります。一方で外気の影響を受けやすい(外が寒ければ室内も寒く、外が暑ければ室内も暑くなってしまう)、虫やほこり、排気ガスなどが侵入しやすく衛生的ではない、外の騒音が気になるなどのデメリットもあります。

機械換気方式

機械換気とは今回のテーマとなっている換気扇やファンなどの換気設備を用いて室内の空気を入れ替える方法です。機械換気には給気と排気を換気設備によって行う「機械換気第一種換気方式」、換気設備で給気して排気は自然に行う「第二種機械換気方式」、自然に給気して換気設備で排気する「第三種機械換気方式」の3種類があります。

自然換気方式のデメリットである外気温の影響や、虫や異物の侵入、騒音などをクリアできるのが、機械換気方式のメリットです。ただし、強烈な臭いや煙が発生したなどの場合は機械換気だけでは不十分で、自然換気も併用しなければならないこともあります

飲食店に換気設備は必要不可欠

 

窓やドアによる換気だけでは不十分!

自然換気でも空気を入れ替えることはできますが、正しく換気を行うのが前提です。たとえば窓を一箇所しか開けない場合、気流が発生せず十分な換気ができません。窓をわずかしか開けない場合でも、やはり十分な排気と給気ができなくなってしまいます。

加えて、お客様がお食事をされる飲食店ならではの理由もあります。前述のとおり自然換気を行うと室温が外気に影響を受け騒音も入ってくるので、快適性が損なわれかねません。虫やホコリ、ゴミが商品に混入すればクレームや健康被害が発生するリスクもあります。

快適で衛生的な空間を保つためにも、換気扇の導入は非常に重要です

 

現在、飲食店には法律の定めがある

そもそも飲食店に換気扇を設置しないのは違法です。建築基準法には「調理室にコンロその他の火を使用する設備もしくは器具を設けた場合、政令で定める技術基準に従って、換気設備を設けなければならない」と定められています。そのため、換気扇を設置しないと飲食店が開業できないのです。

ちなみに、「政令で定める技術基準」は有効換気量(衛生上有効な最低換気量)によって決まり、同じ飲食店でもレストラン・喫茶店、料亭、ビヤホールなど、お店の種類によって異なります。

法律に違反しないという意味でも、換気扇選びは非常に重要であり、プロに相談されることをおすすめします

 

換気は絶対必要!その主な理由とは?

空気中の二酸化炭素濃度の上昇を防ぐ

人間は呼吸によって酸素を吸収し、二酸化炭素を排出します。人が集まる空間で長時間換気を行わないと酸素不足になってしまいます。二酸化炭素濃度が上昇すると二酸化炭素中毒が発生し、頭痛やめまい、吐き気、ひどいときには意識障害が発生することもあります

特に近年の建物は気密性が高いため、二酸化炭素がどうしてもこもりやすいです。特に冬場は窓や扉を締め切るので、より一層注意しなければなりません。換気扇によって室内の二酸化炭素を外部に逃し、酸素を取り込むことで、二酸化炭素中毒による健康被害を防ぐことができます

 

細菌やウィルスがとどまるのを防ぐ

密閉されている室内には二酸化炭素だけでなく病気の原因となる細菌やウィルスも無数に漂っています。特に飲食店も含めて人が多く集まる密閉された空間では風邪やインフルエンザに感染するリスクが高いです

新型コロナウィルスの感染拡大時には換気を行うよう国や行政機関、専門家が強く呼びかけを行い、「3密(密閉・密集・密接)」という言葉が話題になりました。換気を行って密閉状態を解消し、細菌やウィルスを外に追い出すことで、感染症が発生するリスクを大幅に低減することが可能です

 

湿気がこもるのを防ぐ

空気には大量の水分が含まれており、やはり密閉されている空間では湿気がこもりやすくなります。特に梅雨や夏場は湿度が高く、締め切っているとジメジメとした不快な気分になります。また、飲食店であれば衛生上もよくありません。湿気がこもることでカビや雑菌が増殖し、食中毒が発生するリスクが高くなります。また、カビが生えることでお客様が不快に感じる、食品ロスが発生する、清掃の手間がかかるといったデメリットもあります。

換気扇を使って常に換気をしておけば湿気がこもることなく、快適・衛生的な空間を保つことが可能です。雨の日は窓を開けると雨水が室内に降り込む心配もありますが、換気扇であれば安心です

換気に大切なのは、給気と排気のバランス

換気扇を選ぶ際には汚れた空気を排出する排気に目がいきがちです。確かに換気の目的は雑菌やウィルス、湿気、臭いや煙を外に逃がすことにあります。しかし、同時に新しい空気を取り込む給気も非常に重要です。前述のとおり、気流が発生するからこそ室内の空気は入れ替わります。換気扇を設置して一生懸命排気をしようとしても、新しい空気が入って来ないことには十分な換気ができません

大切なのは給気と排気のバランスです。効率的に換気を行うのであれば、換気扇選びや設置場所を考えるとともに、給気口に関してもしっかりと検討しておきましょう

換気扇選びのポイント

 

店舗の規模や業態に合わせて換気扇を選びましょう

換気扇はその空間の広さや人の密集度、業態などに合わせて適切なものを選ぶことが大切です。たとえば広い店舗や人が密集するような店舗に小さい換気扇を取り付けても、十分な効果は得られません。逆に狭い店舗や人がそれほど密集しない店舗に大きな換気扇を取り付けると、必要以上に空気が入れ替わってしまいます。エアコンで冷やした空気や暖房で暖めた空気が外に逃げることで空調効率が悪化し、お客様が不快な思いをしたり光熱費がかさんでしまったりします。

逆に言えば、正しい換気扇を選ぶことで、空気が適度に入れ替わり、エコで快適な空間を維持することができるのです

正しい換気扇選びや付け替えは、迷わずプロに相談

とはいえ、ご自身で換気扇を選ぶのは簡単なことではありません。換気扇そのものに関する知識はもちろん、空調に関する知識、給排気のバランスの取り方、建築基準法をはじめ関連法規の内容など、さまざまな専門知識と経験が必要です。もし換気扇選びを間違えると、無駄な出費になってしまうばかりでなく、さまざまなトラブルが発生するリスクも高くなります。

そこで、広積空調工業にご相談ください。換気扇の選定から給排気口の設置場所、施工・取り付けまで、すべてお任せいただけます高品質・短納期・低コストだから安心。緊急対応も可能です。

換気扇や空調設備を通じて、お客様の飲食店開業や快適な環境づくりをお手伝いします。


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