最近厨房に熱がこもりやすくなった、煙や臭いが充満するようになったと悩まれている飲食店オーナー様はいらっしゃいませんか？それは排気ダクトが原因かもしれません。今のまま放置しておくと大きな損失につながるかもしれませんので、早めに対策を打ちましょう。
今回は排気ダクトを見直す必要性についてご説明します。特に冒頭のようなお悩みを持たれている飲食店オーナー様、重飲食と呼ばれる店舗を経営・運営されている方必見です。
目次
排気ダクトの役割と種類
排気ダクトとは、その名のとおり室内の空気を外に排出するための設備のことです。排気ダクトを作動させて臭いや煙を外に追い出すことができれば、快適な室内環境を維持できます。
排気ダクトには大きく分けて「厨房排気ダクト」「排気・換気ダクト」「排煙ダクト」「空調ダクト」の4種類があり、場所や用途によって適切なものを選ぶ必要があります。
厨房排気ダクト
厨房排気ダクトは厨房での調理作業にともない発生する煙や臭い、水蒸気、油を排出するためのダクトです。特に厨房では油が発生しやすいです。ダクトに油が付着すると悪臭が発生したり火災の原因になったりします。厨房排気ダクトの内部にはグリスフィルターが組み込まれているため、油汚れが付着しにくいようになっています。
ただし、グリスフィルターは万能ではありません。どうしても多少の油汚れは発生するので、定期的な清掃・メンテナンスが必要です。
排気・換気ダクト
換気・排気ダクトは室内の汚れた空気を排出し、同時にきれいな空気を取り入れるためのダクトです。店内で発生した臭いや煙のほか、人が呼吸することで発生した二酸化炭素や細菌、ウイルスなども排出することができます。換気扇に近い役割のものと考えるとわかりやすいです。
排気ダクトは汚れた空気を排出するダクトであり、換気ダクトは室内の空気の排出に加えて外部のきれいな空気を取り込むことができます。店内を快適で健康的な空間にするためには欠かせないダクトです。
排煙ダクト
排煙ダクトは火災が発生した際に煙や有毒ガスを排出するために作動させるダクトです。非常に強力で、火災時のみ使用します。
飲食店は火災が発生するリスクが高いです。また、火災時には煙を吸い込んでしまうことで逃げ遅れたり、一酸化炭素中毒や窒息を起こしたりして亡くなってしまうケースが多いです。排煙ダクトは普段使うものではありませんが、いざというときに備えて必ず設置しておく必要があります。
空調ダクト
空調ダクトとは室内の温度や湿度を調節する役割を果たすダクトです。室内の湿気や熱を排出し、外部の空気を取り込むことで、快適な温度や湿度を維持することができます。
飲食店はもちろん、オフィスビルや商業施設、病院、イベントホールなど、さまざまな建物に使われています。室内に空気を送り込むダクトを給気ダクト、室内の空気を外に送り込むダクトを還気ダクトと言います。
排気ダクトのカギを握るのは送風機
排気ダクトを選ぶ際に着目したいのが送風機です。送風機とはファンを回転させて空気を外部に送り出す装置のことを指します。送風機のパワーが小さいと、汚れた空気が十分に排出されず、煙や臭いが充満し続けることになってしまいます。
送風機には「遠心式送風機」「軸流式送風機」「斜流式送風機・横流式送風機」という3つのタイプがあります。それぞれ詳しくご説明します。
遠心式送風機
遠心力を応用した送風機です。円形状の給気口から取り込まれた空気は遠心力を使って横の羽へ伝わり外に排出されます。非常に風圧が高いため、重飲食にも向いている送風機です。
遠心式送風機にはさらに回転方向に対して複数の羽がついていて高い排気性能を誇るシロッコファン、羽の数が少なくスッキリとした見た目を実現できて、なおかつ大きな羽を高速で回転させるターボファン、シロッコファンとターボファンの中間的な立ち位置のリミットロードファンという3つの種類があります。
軸流式送風機
ファンによって正面から空気を取り込み、そのまま真っすぐの方向へ排出するタイプの送風機です。家庭用の換気扇も軸流式送風機の一種といえます。他にも電子機器の冷却ファンといった小さなものから、トンネル工事の排気ファンといった大きなものまでさまざまです。
省スペースで構造もシンプルというメリットがありますが、風圧が弱く十分に排気できないことと、油汚れなどが付着すると性能が低下することから、飲食店にはあまり向いていないといえます。
斜流式送風機・横流式送風機
ファンにとって正面から空気を取り込み斜め方向に送り出すものを斜流式送風機、横方向に送り出すものを横流式送風機と言います。シンプルな軸流式送風機と風圧が強い遠心式送風機の中間にあたるような存在です。
私たちにとって身近な家庭用のエアコンには斜流式送風機・横流式送風機のメカニズムが応用されています。軸流式送風機よりも風圧は強いものの、煙や臭いが発生する飲食店で使うには少し力不足です。
飲食店のオーナーさん、こんなお悩みありませんか？
case1 厨房に熱がこもる／煙やニオイが充満／排気ダクトから油が染み出す
厨房に熱がこもるようになった、煙や臭いが充満しやすくなった、排気ダクトから油が染み出すようになったという症状が見られる場合、ダクトの内部が油やホコリなどで汚れている可能性が考えられます。このまま放置しておくと空気が汚れたまま外部に排出されて近隣からのクレームにつながる、ダクトが正常に作動せず火災につながるといったおそれもあります。
特にオープンやダクトのメンテナンスから5年以上ダクト清掃を行っていない場合、あるいは居抜き物件で清掃履歴がわからない場合は、至急メンテナンスを実施しましょう。
case2 扉が大きな音を立てる／電気代が高い
扉がバタンと大きな音を立てて閉まる場合、電気代が異常に高い場合は、ダクトの性能つまり風圧が店舗に合っていないことが考えられます。オーバースペックで過剰に排気されるため、扉が強い勢いで閉まってしまうのです。
ダクトは風圧が高ければ高いほどいいというものでもありません。店舗の面積や業種、収容人数等に応じて適切なものを選びましょう。
case3 放置すると集客や売上、また従業員のモチベーションダウンにも！
ダクトのメンテナンスを怠って煙や臭いが店内に充満するようになるとお客様が不快に思われるようになり、次第に客足が離れて売上に響きます。また、働いているスタッフのモチベーションも低下して、離職につながるかもしれません。
さらに放置しておくと、近隣からのクレームや健康被害の発生、火災などの重大なトラブルにも発展するリスクが高くなります。
排気ダクトを見直すメリット
排気ダクトを見直し、適切なメンテナンスや清掃を行うことで、煙や臭いが充満しにくくなるはずです。店内の快適性が上がることでお客様の満足度が向上し、良い環境で働けるため従業員のモチベーションもアップします。もちろん、クレームや火災、健康被害などのトラブルが発生するリスクを抑えることができるのも大きなメリットです。
さらに、店舗に合わせたダクトを選ぶことで、エアコンの効きが良くなる、電気代が安くなるといった利点もあります。
今一度、排気ダクトを見直しませんか？
飲食店には今回ご紹介した排気、換気、換気、排煙ダクトは必須です。店舗経営に支障が出る前に、重大なトラブルや事故が発生する前に、まずは一度ダクトについて見直してみましょう。
ダクトはただ設置して作動させておくだけでは不十分です。定期的な清掃やメンテナンスを行わないと、やがて汚れが付着し、十分な性能を発揮してくれなくなってしまいます。
また、ダクトが店舗に合ったものであるかどうかもこの機会にチェックしてみましょう。店舗に見合う性能のものを選ぶことで、顧客満足度の向上や経費の削減につながります。
付け替えはもちろん、まずは修理・点検もプロにおまかせ
飲食店における排気ダクトの重要性はご理解いただけたかと思います。ついつい見落としがちなポイントですが、ダクトも店舗の経営や運営を左右する重要な設備なので、一度チェックしてみてください。
「最近ダクトの調子がおかしい」「煙や臭いが充満しやすくなった」など、排気ダクトでお悩みごとがございましたら、広積空調工業にご相談ください。国家資格を取得した熟練の職人がご提案からダクトの設計、製作、設置まで一貫して対応します。完全自社施工だから高品質、短納期、低コストを実現。修理も、点検も、付け替えも、ダクトのありとあらゆるご要望にお応えします。
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