【ダクト工事専門家が解説】焼肉店の無煙ロースターってどう選ぶの?!

2021年08月10日(火)

無煙ロースターってどんなもの?

煙が多く出る焼肉店にとって各テーブルで発生する煙を吸引し外に排出してくれる「無煙ロースター」は必須の設備と言えます。
名称は知らなくても、焼肉店に行ったときにテーブルの上にダクトが通っていて強力なフード(給気口)がある光景を見たことがあるという方は多くいらっしゃるかと思います。無煙ロースターが焼台から直接煙を吸い取ってくれるから、焼肉をしても店内が煙たくならず、快適に食事を楽しむことができるのです。

基本的に弊社では無煙ロースターの取り扱いや施工は行っておりません。しかし、焼肉店オーナーさまを中心に無煙ロースターに関するお問い合わせを多数いただいております。
そこで、今回プロのダクト工事専門家として無煙ロースターの基礎知識をわかりやすくご紹介する記事を作成いたしましたので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

無煙ロースターの主な機能

前述のとおり、無煙ロースターは各テーブルから発生する煙を吸引し、外に排出してくれる設備のことを指します。非常に強力で、性能がいいものであればほとんど煙や臭いが店内に充満することはありません。

ただ、煙をそのまま排出すると近隣からクレームが発生する可能性もあります。給気も行っているので、煙が店内に逆戻りすることもあり得ます。そこで、多くの無煙ロースターには消煙装置や消臭装置も備え付けられていて、集塵セルやフィルターを通じてきれいな空気にした上で店外に排出しています。

無煙ロースターの2種類のタイプを知ろう

無煙ロースターには大きく分けて「ダクト式無煙ロースター」と「ノンダクト式無煙ロースター」の2種類があります。煙を排出してくれるという機能は同じですが、構造などが若干異なります。

以下でそれぞれのメリット、おすすめの店舗形態など特徴をご紹介しますので、お店のタイプや方針、使い勝手、予算に応じて適切なものを選びましょう。

タイプ1:ダクト式無煙ロースター

店内に排気ダクトを張り巡らせて煙を排気するタイプの無煙ロースターです。さらにテーブルの上にフードを設置して焼面の上から煙を吸い上げる構造の「上引きフードタイプ」と、床下にダクトを通して側面から煙を吸引する「下引きフードタイプ」の2種類があります。

いずれもフードで吸引された煙は天井もしくは床下のダクト管を通り、屋外に設置されたファンによって集塵セルやフィルターを通じて排出されます。排気ルートのメンテナンスが容易で、適切に手入れを行っていれば安定した効果が得られます。大多数の焼肉店ではこのダクト式無煙ロースターが採用されています。

掃除のしやすさやランニングコストを重視されるなら上引きフードタイプ、配管を見せずに店内をスッキリさせたいということなら下引きダクトタイプがおすすめです。

タイプ2:ノンダクト式無煙ロースター

ロースター内に組み込まれた電気集塵機を使うことで煙を集め、フィルターを通して消煙・消臭処理を行う無煙ロースターです。ダクトを配管する必要がないので、場所を取ることがありません。
特に敷地に制限がある、あるいは空間を広く使いたい場合におすすめです。店外に煙や空気を排出しないので、クレームにつながるリスクも軽減することができます。

また、1台のテーブルで吸気から消煙・消臭まで完結しているため配管にとらわれず移動も可能。店内レイアウトも自由に変更することができます。特に一人焼肉やカウンター式の焼肉店、ホテルのレストランや宴会場でよく使われます。

気になる!無煙ロースターの相場は?

焼肉店オーナーさまにとって気になるのはやはり「いったいいくらで設置できるの?」ということかと思います。ダクト式無煙ロースターの場合は上引きフードタイプが最も安価で1台につき施工費用は10万円程度
下引きフードタイプの場合は若干高価になり20万円程度が相場です。
ノンダクト式無煙ロースターは最も高価で35万円程度となります。

タイプ 相場/1台
上引きフードタイプ(ダクト式無煙ロースター) 100,000円
下引きフードタイプ(ダクト式無煙ロースター) 200,000円
ノンダクト式無煙ロースター 350,000円

見た目もそれほど気にせず、安く施工したいということであれば上引きフードタイプでも十分です。実際に多くの焼肉店がこのタイプのダクト式無煙ロースターを採用しています。

店内のデザインや居心地、高級感にこだわりたいということであれば下引きフードタイプがおすすめです。ダクトが配管できないなどの事情がある、レイアウトに可変性をもたせたいということであれば、ノンダクト式無煙ロースターを選択されたほうがいいかもしれません。

営業時間が気になる!施工期間はどのくらい?

施工期間中はお店を開けられないので、こちらもオーナーさまにとっては気になる点です。店舗の規模やレイアウトにもよりますが、ダクト式無煙ロースターはフードや屋外ファンの設置、ダクト配管など大掛かりな作業になりますので、1~2週間ほどの期間が必要になります。

ノンダクト式無煙ロースターはテーブル内に無煙ロースターが組み込まれた状態であり、ダクト配管も不要なため2~3日で設置が完了します。施工期間の面でみるとノンダクト式のほうが早く設置できます。

以上のように、無煙ロースターはさまざまな種類があり、特徴や設置費用、施工期間がそれぞれ異なります。お店の形態やコンセプト、予算や営業日などを考慮した上で選んでください。


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